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高知の新名物!とさでん交通路面電車が生み出す奇跡の光景「トリプル・クロス」

       

この情報は2019年1月4日時点の情報となります。

高知の観光名所「はりまや橋」にある交差点で、路面電車の「トリプル・クロス」という現象が起きるという。
「奇跡の光景」とも呼ばれるその現象。本当に“奇跡”なのかその真相に迫る!

写真提供:とさでん交通株式会社

「奇跡の光景」と呼ばれ、ネットニュースやテレビでも取り上げられたとさでん交通路面電車の「トリプル・クロス」

とさでん交通HPより

「トリプル・クロス」とは、冒頭の写真のように東西南北の路線が交わるはりまや橋交差点で3両の電車が同時に交差点内に進入する現象のことを言う。
線路が直角に交わるダイヤモンドクロッシング(平面交差)だけでも十分珍しい光景なのだが、トリプル・クロスはさらに上をいく珍しさなのだという。

以前紹介した記事はこちら⇒ 【前編】高知を走って114年!「とさでん交通」の路面電車をいろいろ調べてみた話

だが、本当に「奇跡」と呼ばれるほど出会うのが困難な光景なのか?
見られるのは平日の朝8時12分ごろとの情報を得て、高知家の○○取材班は数日間、いや、その光景に出会えるまで毎朝張り込みをするぐらいの気合ではりまや橋交差点に向かった。

 

張り込み初日、果たして見られるのか…!?

張り込み初日の12月11日(火)朝8時前。
カメラを構えてその瞬間を待っていると、「取材ですか?」と話しかけてくる男性が。

その男性、なんと「私が『トリプル・クロス』の名付け親なんですよ。」と言う。
「そうなんですか!?」と取材班が驚いているうちに…

高知駅方面と東西の3方向から電車がやってきた。

慌ててカメラを構えると、信号が変わり電車が動き出した。

左から桟橋方面に向かう電車と写真右奥の県庁前方面から高知駅方面に向かう電車。

そして右手前から高知駅方面から県庁前方面に向かう電車もやってきて…

ついに、目の前で交差点に3両の電車が進入!
「おお!これが奇跡のトリプル・クロスか!」
初めて目にする光景に取材班も思わず興奮!

別のアングルから。
左の高知駅から県庁前方面に向かう電車、真ん中の桟橋方面に向かう電車、右からは県庁前方面から高知駅に向かう電車が。

そして3両が…

交差点上で重なる。

そして信号が変わり、奇跡のトリプル・クロスはあっという間に終了。
奇跡と言いつついきなり張り込み初日で見ちゃったけど…。こんなところで運を使っていいのか高知家の○○取材班!

「今月(12月)はこれで3回目ですね。」と先ほどの男性。
なんでも平日8時12分に必ず見られる訳ではなく、信号のタイミングや乗客の乗降などで電車に遅延が生じた時でないと見られないとのこと。
やはり、偶然が重なることでしか見られない「奇跡の光景」だったのだ。

声を掛けて下さったその方は、高知SGG善意通訳クラブの副会長を務める三井幸一さん。
改めてお話を伺うと、通勤途中にはりまや橋を通るうちにこの現象が起きることを知り、「がっかり名所」と呼ばれることもあるはりまや橋を再び観光名所として盛り上げるため、このトリプル・クロスを世に広めようとしているのだという。

三井さんは「ダイヤモンドクロス委員会」を立ち上げ、YouTubeでトリプル・クロスの動画を公開している。
通訳クラブ副会長の三井さん、「外国人観光客にもこのトリプル・クロスを広めたい」とその野望はワールドワイドだ!

 

とさでん交通の方に話を聞いてみた

奇跡的に張り込み初日でトリプル・クロスに遭遇し気を良くした取材班は、とさでん交通株式会社に詳しい話を聞くことに。

設置予定の看板イメージ

とさでん交通では、はりまや橋に新たな観光名所を生み出すべく、ダイヤモンドクロッシングとトリプル・クロスを紹介した看板を交差点脇に設置するための費用を募るクラウドファンディングを11月8日から12月7日まで実施。

「Makuake」HPより

クラウドファンディングはわずか2日で目標額の60万円を超え、最終的には227万9千円と目標の4倍近い支援が集まった。

お話を伺ったのは、とさでん交通株式会社 経営企画室 課長の山﨑潤さん。
早速質問をぶつけてみた。

記者:トリプル・クロスはいつ頃から見られるようになったのでしょうか?

山﨑さん:2017年4月1日にダイヤ改正をしてから、信号や途中の停留所でのお客様の乗降状況などにより電車が遅延すると平日8時12分にこの「奇跡の光景」が見られるようになりました。

記者:それまでは発生するようなダイヤではなかったということですか?

山﨑さん:2005年に現在の線形(平面交差とそれを囲むような菱型の線路形態)になって、物理的には3両が同時に交差点に進入できるようになったのですが、昨年のダイヤ改正まではトリプル・クロスが見られるダイヤではありませんでした。

記者:どうしてクラウドファンディングをすることになったのですか?

山﨑さん:まず「交差点に案内看板を設置しよう」という話になったのですが、ただ設置するだけでは広がりがないので、どうせなら全国の皆さんにはりまや橋とトリプル・クロスを知っていただこうとの趣旨でクラウドファンディングを実施することになりました。

記者:クラウドファンディングをやってみていかがでしたか?

山﨑さん:目標額は達成すると思っていましたが、ここまでの反響やご支援があるとは思いませんでした。全国紙や全国ネットのテレビにも取り上げていただきありがたいです。

ちなみにクラウドファンディングの返礼品は、路面電車グッズや「おきゃく電車」体験、さらには特別に再現したトリプル・クロスの乗車&撮影体験などとってもユニークだ。

「トリプル・クロスのPRもあるのですが、まずは多くのお客様に高知にお越しいただきたいという思いでPRしています!」と山﨑さん。

地道な取り組みにより徐々に注目を集めるトリプル・クロス。
取材班のように1回目で見られたら超絶ラッキー!?

 

■とさでん交通路面電車
http://www.tosaden.co.jp/train/